治療コラム
何度でも生え変わる、サメの歯は本当に便利なの!?
2017.10.17
昔、「ジョーズ」というサメの映画がありました。巨匠スピルバーグ監督の名を世に知らしめた非常に有名な作品なので、デンデンデンデン♪というテーマ曲を耳にするだけで、ノコギリのような歯をむき出しにして襲い来る巨大な殺人鮫を思い出してしまう方も多いのではないでしょうか。
サメの歯並びのヒミツ
ところで、サメって歯並び悪いと思いませんか(笑)。そう、あの大きな口に並ぶギザギザの歯、大きさもまちまちで思わず歯列矯正したくなるほど歯並びが悪いですよね(笑)。なぜでしょう?実はサメの歯は「多生歯性」といって、何度でも生え変わるんです。だから歯並びは均一にはならずバラバラです。ギザギザの歯がバラバラのサイズで並んでいる、それが余計にサメのあの凶暴な風貌をつくっているんですね。
どうして人間の歯は生え変わらないのか?
一方人間の歯は「二生歯性」。乳歯の後に永久歯が生えたら、虫歯になろうが抜けてしまおうが二度と生えてはきません。私たちの歯もサメのように次々と生え変わってくれたなら、虫歯で悩むこともなくなるはずなのですが…。人間の歯とサメの歯、進化の過程や環境の違いということ以外に明確な理由は不明ですが、その構造からしてまったくの別物です。私たち人間の歯には根があって、しっかりと支えられていますが、サメの歯には根がありません。もともと抜けやすい構造なのです。miniatureそして、すぐ後ろにはあらかじめ予備の歯が生えていて、歯が抜けるとすぐに前に移動してくるという仕組みです。
摂取と食事の違い
人間の歯は大きく3種類、すなわち食べ物を噛み切る切歯、食べ物を切り裂く犬歯、そして食べ物をすりつぶす臼歯によって成り立っています。人間はもともと肉よりも穀物を中心に食べてきたため、食べ物をすりつぶす臼歯を持ち、しっかりと口の中で咀嚼して味わう「食事」がでます。しかしサメは尖った歯で獲物を引きちぎり、咀嚼して味わうことなく丸飲みにして「摂取」するだけです。
ジョーズの意味は…?
確かに、虫歯の心配もなく次々と新しい歯が生えてくるなら便利かもしれません。でも食事中、硬いものを噛むたびにポロポロと歯が抜け落ちるのも困りものだし、丸のみするだけで食の楽しみがないなんて、いくらなんでも味気ないです。何よりもジョーズみたいにガタガタの歯並びは美しくないですよね。そもそも「ジョーズ」はサメと言う意味ではなく「顎」という意味。サメのように次々と歯を交換するには、たくさんの予備の歯を留めておける巨大な顎が必要です。ということはとても小顔なんて追及できませんから、美的観点からもサメのような「多生歯性」は人間にはなじまないと言えそうです。
私たち人間は替えのきかない大切な歯を大事にするしかありません。健康のためにも美しさのためにも、日ごろの口腔ケアをお忘れなく。
今野 裕一
Yuichi Konno
銀座HINA矯正歯科 院長
日本矯正歯科学会認定医・歯学博士として、これまで数多くの裏側矯正・難症例と向き合ってきました。「矯正治療はどこでしても同じ」ではありません。大切なのは「どこに、どのように歯を並べるか」です。当院では精密な分析をもとに、お顔の変化まで見据えた質の高い治療を提供しています。歯並びのコンプレックスを解消し、生涯健やかに笑える喜びを実感していただきたい。まだ信頼できるドクターに出会えていない方は、ぜひ一度ご相談ください。