院長のカルテ
皆知らず
2014.11.06
皆様は、ご自身の「親知らず(智歯)」がどこに何本あるかご存知でしょうか。矯正治療を始められた方は最初の検査で説明を受けていると思いますが、実は最近、あごが小さくなっている傾向から親知らずがずっと生えてこず、自分に親知らずがあることさえ知らない方が増えています。今回のタイトル「皆知らず」もそこに由来しているのですが、かくいう私の親知らずも1本も生えておらず、骨の中で静かに冬眠しています。
できればこのまま何事もなく永眠していてほしいものですが、そういかないのが親知らずの厄介なところです。さかのぼること大学時代の病院実習中、左下の奥歯に違和感を覚えて診断してもらったところ、なんと見えてもいないのに「智歯周囲炎(親知らずの炎症)」を起こしていました。しかも、親知らずを抜くだけでなく、その手前にある健全な歯の神経まで取らなければいけないというショッキングな診断だったのです。このように、親知らずは骨の中に埋まっていたとしても突然炎症を起こし、周囲の健康な歯にまで悪さをしでかす「眠れる暴れん坊」の一面を持っています。
当院では、皆様が矯正治療を始めるにあたって、予防的な観点や歯の動きやすさを考慮し、事前に抜くべきか、時期を見て抜くべきかを慎重に検討しています。歯を抜くことには大きな決意が必要だと私たちもよく理解していますが、将来のトラブルを防いでスムーズに治療を進めるために必要と判断した場合は、事前の抜歯をおすすめしています。あの眠れる暴れん坊が突然目を覚まして大暴れしてしまう前に、しっかりとお口の環境を整えていきましょう。
今野 裕一
Yuichi Konno
銀座HINA矯正歯科 院長
日本矯正歯科学会認定医・歯学博士として、これまで数多くの裏側矯正・難症例と向き合ってきました。「矯正治療はどこでしても同じ」ではありません。大切なのは「どこに、どのように歯を並べるか」です。当院では精密な分析をもとに、お顔の変化まで見据えた質の高い治療を提供しています。歯並びのコンプレックスを解消し、生涯健やかに笑える喜びを実感していただきたい。まだ信頼できるドクターに出会えていない方は、ぜひ一度ご相談ください。