院長のカルテ
あごの違和感
2014.08.22
最近よく耳にするようになった「顎関節症(がくかんせつしょう)」という病気ですが、皆様はご存知でしょうか。簡単に言うとあごの関節の病気なのですが、この顎関節は頭にある唯一の関節で、お口を開け閉めするだけでなく、日々の噛む力を一手に引き受けている重要な場所です。大人の噛む力はなんと約60kg(恐竜のティラノサウルスは1tもあるそうですが……)に達します。たまに治療中に眠ってしまい、ハッと起きた拍子にガブッと噛まれそうになることがありますが、恐竜でなくて本当に良かったと胸をなでおろしています(笑)。
この関節は耳の穴の少し手前にあり、皮膚の上から触って動くのが確認できます。主な症状としては、お口を開閉するときに音が鳴る、関節の周りの筋肉が慢性的に痛む、お口が大きく開かないといったものが挙げられます。その原因は、あごをぶつけたり頬杖をついたりする癖、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの悪さ、さらにはストレスや大あくびなど多岐にわたります。
足の屈伸で膝がポキポキ鳴るように、音が鳴る程度であれば通常は心配ありませんが、痛みが出たりお口が開かなくなって生活に支障が出ると厄介です。ちなみに、お口が十分に開いているかどうかの目安は「お寿司の握りが無理なく食べられるくらい」と考えてみてください。
もしあごにだるさや痛みを感じたら、まずは「安静」が第一です。硬い食べ物を避けたり、食いしばるような力仕事やスポーツを一時的に控えたりして、あごへの負担を減らしましょう。当院でも、上下の歯の接触を和らげるクッションとしてマウスピースを用いることがあります。また、患部を優しく温めるのも効果的です。逆に、気になって無意味にお口を開け閉めしたり、触ったり押したりすることは悪化の原因になるので控えてくださいね。
顎関節症はなかなかすっきりと完治しづらく、調子の良い時期と悪い時期を繰り返す傾向があります。症状が出たときは無理をせず、痛みが落ち着くまであごを労ってあげましょう。もちろん、症状の度合いや不安は人それぞれですので、少しでも異変を感じたらどうぞ気兼ねなくご相談ください。
今野 裕一
Yuichi Konno
銀座HINA矯正歯科 院長
日本矯正歯科学会認定医・歯学博士として、これまで数多くの裏側矯正・難症例と向き合ってきました。「矯正治療はどこでしても同じ」ではありません。大切なのは「どこに、どのように歯を並べるか」です。当院では精密な分析をもとに、お顔の変化まで見据えた質の高い治療を提供しています。歯並びのコンプレックスを解消し、生涯健やかに笑える喜びを実感していただきたい。まだ信頼できるドクターに出会えていない方は、ぜひ一度ご相談ください。